『雨の森』

高良篤人 ギタリスト・起業家・投資家

2010年01月03日 03:31

雨のしずくが肩を濡らす

まるで気にならないように、彼は歩みを止めない。



現実の数だけ、しがらみがあって

それに嫌気を差した彼は

理想を追い求めると決意した。



雨のしずくが足元を濡らす

まるで気にならないように、彼は歩みを止めない。



靴の重みは取るに足らないのさ

立ち止まる事が一番怖い。

理想を追い求めると決意したから。



彼の相棒はコンパスと言う小さな犬。

小さな巨人だと彼は自慢する。

理想までも嗅ぎ別けると。



魂があるのなら、いつか報われよう。

来世があるのなら、今世は必要ない。

でも、何か違う。

コンパスはただこちらを見ている。



雨のしずくが上がった頃

まるで気にならないように、彼は歩みを止めない。



自然の数だけ、しがらみがあって

それに興味を示した彼は

理想を叶えると決意した。



コンパスが何かを嗅ぎ別けた。

彼は素直な心でその吐息に耳を傾けた。



先に明かりは見えないぞ。

誰かの建てた標識なんて取るに足らないようだ。

信じあう喜びを、彼は教わった。



雨のしずくが彼を濡らす。

まるで気にならないように、彼は歩みを止めない。



痛みの数だけ、しがらみがあって

それに気づいた時

感謝の念を覚えた。



二人はどこへ行くのか。

どこへ行くのか。



彼の瞳と、小さな巨人のソレは

ただただ、輝きを無くしてはいなかった。


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